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誰も見ない
 ポスターは広告メディアです。美術館ではなく、誰も見ようとしない街角に貼り出して、たまたま通りかかった人の目を惹きつけなければなりません。それだけでなく「商品」を記憶にやきつけ、「購入したい」と思わせる力がなければ役に立ちません。
  大衆の目にさらされ商品の販売で評価されるポスターは芸術の最も厳しい分野です。よほど力のある画家でなければポスター作家と認められず、広告主から制作発注がなければポスター作家を続けられません。

デザインの秘密

 ミュシャ・ポスターは「美しい女性」で注意をひきつけ、さらにポーズやしぐさ、髪、衣装などで見る人の目を上へ、あるいは下へ導いてポスターの文字情報を記憶させます。ミュシャ・ポスターの多くは絵と文字部分がわかれた古典的なスタイルといえるのですが、デザインによってたくみに目を誘導するミュシャのテクニックがポスターを印象的で魅力的にしています。
 『ジスモンダ』 で彗星のように登場したミュシャは、第一作でたちまちパリで最も人気のあるポスター作家になりました。ミュシャ・ポスターが100年の時を超えて私たちを魅了するのは、美しい装飾や色彩だけではありません。
効果を緻密に計算したデザインと、そこに込められたメッセージをお楽しみください。

ミュシャ・ポスターの魅力

ポスター:椿姫
『太陽に愛されよう 資生堂ビューティケイク』
(1966) 
 顔に注目させ、そこから商品名、商品へ視線を導くポスター。
 キャップの白と青い空、雲と肌、それぞれのコントラスト、さらに、「く」の字に曲げられた左右の腕が視線の誘導を補完する。キャップから顔、胸元、手指へ、斜めのやや不安定な流れが「BEAUTY CAKE」の文字に至って落着き、砂の上に水平に置いた手が商品名、商品をより強く印象づける。『ジスモンダ』、『ジョブ』など、ミュシャのポスター・デザインに通じる現代ポスターの名品。当時、大評判になったが、それはデザインの裏付けがあってのことだった。
 このポスターよりも後のことだが、デザイナーの石岡瑛子さん、アートディレクターの中村誠さん、フォトグラファーの横須賀功光さんお三方とも、それぞれ土居君雄コレクションの土居君雄さん経営する株式会社ドイの部門、ドイテクニカルフォト、ドイ文化事業室と関りがあった。とくに石岡瑛子さんは、「レニ・リーフェンシュタール写真展 ― ヌバ 」
(1980年 西武美術館、 写真制作 ドイテクニカルフォト)の斬新で大胆な展示デザイン、会場構成が話題になった。








デザイン : 石岡瑛子 (1938-2012)
アートディレクター : 中村誠 (1926-2013)
写真 : 横須賀功光 (1937-2003)
モデル : 前田美波里

ミュシャ・コラム
「寄せ集めのミュシャポスター

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シガリロ・パリ Los Cigarillos Paris
椿姫 la Dame aux Camelias
ロレンザッチオ Loeanzaccio
メディア Medee
サマリアの女 La Samaritaine
トスカ La Tosca
ハムレット Hamlet
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ジスモンダ Gismonda
カサンフィス印刷所
サロン・デ・サン第20回展
サラ・ベルナール
サロン・デ・サンでのミュシャ展
モナコ・モンテカルロ
ムース川のビール
トラピスティーヌ酒
ウェイヴァリー自転車
遠国の姫君
ズデンカ・チェルニー
ブルックリン美術館のミュシャ展
ランスの香水ロド
ジョブ
左から 『モナコ・モンテカルロ』 『モラヴィア教師合唱団』 『リュイナールシャンペン』

19世紀末パリのポスター貼り職人(ポストカード)
貼っているのは 『プジョー自転車のポスター』

「見る人の目を文字へ誘導する」 ミュシャのデザイン・テクニック (いずれも部分)
『ジスモンダ』 『受難-パッション』
椿姫』 1898年 リトグラフ
『サロンデサン第20回展』 『サロンデサンのミュシャ展』 『黄道十二宮カレンダー』