イヴァンチッツェのモラヴィア兄弟団学校 ― クラリッツェ聖書の発祥地 ―
背景に見える城壁は取り壊されて今はありませんが聖母被昇天教会の塔は現在もイヴァンチッツェのシンボルです。尖塔の形が現在とは違っているためミュシャはモラヴィア兄弟団学校があった16世紀当時の姿に復元して描いています。
右側には印刷所があり領主で学校の有力な支援者ジェロティーンのカレルが彼の妻とともに刷りあがった聖書を見るために訪れたところを描いています。
一方、左側で聖書に手を置く盲目の老人とこちらを見据える若者は尖塔を巡るツバメとともにやがて訪れる苛烈な離散の時代を暗示しているようです。
画面に描かれている場所はミュシャの生家から歩いてほんの数分の所にあり今も地名に残っています。また、ここから近いところにはミュシャの名前をつけた道路もあります。
テンペラと油彩 1914 610×810 cm