『わが祖国』
 スメタナ
(Bedřich Smetana 1824-1884)作曲の『わが祖国 Má Vlast』は、交響詩6曲からなる連作交響詩です。
 交響詩とは、オーケストラで演奏する管弦楽で標題があり、絵画的であったり文学的な内容のことが多いですが、決まった形はなく作曲者自身が交響詩と名づけたものをいいます。
 『わが祖国』6曲のタイトルは、『ヴィシェフラッド
Vyšehrad』、『ヴルタヴァ Vltava(モルダウ)』、『シャールカ Šárka』、『ボヘミアの森と草原より Z českých luhů a hájů』、『ターボル Tábor』、『ブラニーク Blaník』といい、いずれもチェコの歴史や伝説にかかわる地名で、各曲の演奏時間は10~15分ほど、全体で70分余です。
 『わが祖国』構想の初期には「ジープ」、「ヴィシェフラッド」、「ヴルタヴァ」、「リパニ」、「ピーラー・ホラー」の5つの地名をタイトルに考えていたようです。


 『ジープ山』はプラハの北方に位置し、スラヴの人たちがボヘミアの地に移動してきて最初に定住するようになった土地と伝わっている。その部族の長がチェフだったのでグループをチェフと呼び、いくつもの集団の中央に位置したチェフの名前が国名「チェコ」の由来とされている。
 『リパニ』はプラハの東約40kmにあり、フス派信仰を護るためにカトリック教会との宥和をはかろうとする穏健派と、教会を否定する急進武闘派が1434年にリパニで戦い、急進派のターボル派が壊滅した。
 『ピーラー・ホラー』もプラハ郊外の地名で、ピーラーは白、ホラーは山、白い山という意味。1620年にチェコ・プロテスタント信徒
(穏健フス派)がハプスブルク皇帝、カトリック国連盟と戦い、わずか1時間ほどでハプスブルク=カトリック軍が勝利した。プロテスタント軍の貴族、市民ら27人が反乱軍の首謀者とされ、翌1621年にプラハ旧市街広場で残酷な刑に公開処刑された。この事件以降のチェコは、宗教の自由だけでなく、社会的地位も権利も著しく抑圧され、1919年に独立するまでハプスブルク家が支配する暗黒時代と呼ばれている。

 1870年前後に構想をはじめて、各曲ができ次第に順次発表し、1882年にアドルフ・チェフの指揮で全曲初演して大成功をおさめました。ただ、スメタナ自身は、作曲中から耳に異常が進行してほとんど聞こえなくなり、全曲が完成した頃には全く聞こえない全聾になり、さらに精神疾患も発して初演の2年後、1884年に60才で亡くなりました。
 チェコの首都プラハでは世界的な音楽祭、「プラハの春国際音楽祭」があります。毎年5月12日、スメタナの命日にこの『わが祖国』全曲をプラハ市民会館「スメタナ・ホール」で演奏して幕を開け、約1ヶ月間さまざまな演奏会がプラハ市内各地で行われます。
 『わが祖国』6曲のタイトルはチェコの歴史にかかわる地名で、日本人にはなじみがないのですが、各曲の音楽は素晴らしいので、まずは音楽を楽しんでいただき、以下に簡単な説明を記すので曲の内容を知ってさらに楽しんでいただければ幸いです

『わが祖国』
 『わが祖国』は6曲の連作交響詩です。「交響詩」はオーケストラで演奏する管弦楽で標題があり、絵画的であったり文学的な内容のことが多く、きまった形はありません。作曲家が自分で交響詩と名づけます。
 『わが祖国』の6曲とは、『ヴィシェフラッド』、『ヴルタヴァ(モルダウ)』、『シャールカ』、『ボヘミアの森と草原より』、『ターボル』、『ブラニーク』です。どれもチェコの歴史や伝説にかかわる地名で、各曲10分から15分ほどの演奏時間です。
 1870年前後に構想をはじめて、各曲ができ次第に順次発表し、1882年に全曲初演して大成功をおさめました。ただ、スメタナ自身は、作曲中から耳に異常が起きはじめて進行し全曲が完成した頃には全く聞こえなくなり、初演の2年後、1884年に60才で亡くなりました。
 チェコの首都プラハでは世界的な音楽祭、「プラハの春音楽祭」があります。毎年5月12日、スメタナの命日にプラハ市民会館「スメタナ・ホール」でスメタナの『わが祖国』を演奏して幕を開け、約1ヶ月間プラハ市内各地でさまざまな演奏会が行われます。
 『わが祖国』6曲のタイトルはチェコの歴史にかかわる地名で、日本人にはなじみがないのですが、各曲の音楽は素晴らしいので、まずは音楽を楽しンでいただき、以下に簡単な説明を記すので曲の内容を知ってさらに楽しんでいただければ幸いです。
作曲を進め順次初演し、全曲演奏は1882年にアドルフ・チェフの指揮で初演しました。

 2025年10月、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団が来日してスメタナの名曲『わが祖国』全曲の名演奏を披露し、その時の演奏を翌2026年2月にNHKで放映ました。視聴された方も多いでしょう。毎年5月12日、スメタナの命日には、プラハ市民会館スメタナ・ホールでスメタナの『わが祖国』を演奏して1ヶ月間におよぶ「プラハの春」音楽祭が幕を開けます。今年の『わが祖国』の演奏は、ペトル・ポペルカ指揮、プラハ放送交響楽団です。同じ組み合わせの2024年の、凄いといってよい名演奏がCDになって発売されています。
 ミュシャとスメタナ
(Bedřich Smetana 1824-1884)は世代が異なり、直接の交流はありませんが、共に「暗黒時代」にあったチェコの人々に「未来の希望」を届けた芸術家です。『わが祖国』を聴くことでミュシャを別の角度から楽しめるでしょう。
 ビシュコフ指揮のチェコ・フィルだけでなく『わが祖国』には、いい演奏のCDや音楽配信にたくさんあります。ミュシャの「もうひとつの楽しみ方」をこの機会に味わっていただければと思います。