ヤルミラ・ミュシャ・プロツコヴァーさん(左上)はミュシャの息子でチェコの作家イジー・ムハ(右下の写真 ジリ・ミュシャ。父ミュシャの再発掘を著作や展覧会を通じて1950年代から進めた。握手しているのはドイコレクションを築いた土居君雄さん)の娘。アルフォンス・ミュシャの孫にあたります。ミュシャの妻マルシュカ(右上の写真。ヤルミラさんのおばあさん)にそっくりといえるほどよく似ています。
ヤルミラさんはプラハ造形芸術アカデミーで学び、卒業後はスペインのバルセロナで建築家のもとで研鑽し、ミロ博物館、バルセロナ・オリンピック関連の建築などにかかわり、現在はプラハで創作活動を続けています。
その造形的センスと技術を父イジー・ムハに認められてアルフォンス・ミュシャの作品、とくにデッサンのかたちで残された「装飾資料集」を造形作品にすることを託され実現した作品などが今回の展覧会で見ることができます。
「装飾資料集」でも十分に楽しむことができますが、ヤルミラさんによって現実化された造形作品を見るとミュシャがどのように考えてデザインしようとしたのか、新しいミュシャの世界が文字どおり立体的に浮かび上がってくる興味ふかい展覧会です。
トップへ